銀行や証券会社などの金融機関に勤務し、投資信託をはじめとする金融商品の販売関連業務に携わっている人を対象とする専門誌『Ma-Do(マ・ドゥ)』。同誌では、読者である金融のプロフェッショナルの方々に「もし自分がいま買うとしたらどの投資信託なのか?」を定期的に調査している。ここでは、その最新の結果を、選んだ理由の具体的なコメントとともに紹介したい(調査実施期間:1月下旬~2月上旬、N=98)。

足元では資金流出もプロは米国成長株投信を引き続き支持

今回は同率で1位となったファンドが2つあり、まずは前回(2022年12月)に続いて「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」がトップを守った。

①アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信
  <アライアンス・バーンスタイン>

①eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  <三菱UFJ国際投信>

③米国株式配当貴族
  <野村アセットマネジメント>

③キャピタル世界株式ファンド
  <キャピタル・インターナショナル>

③eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  <三菱UFJ国際投信>

同ファンドは文字通り米国の成長株を投資対象とするファンドだが、根強い人気を誇る。ただし、最も純資産残高が大きい「Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の分配金が昨年12月以降はゼロとなっていることも影響し、同コースからは大きく資金流出するなど足元の流出入動向には陰りも見える。しかし、あくまで長期の目線で引き続き高い評価をしているのは、やはり金融のプロならではと言えるだろう。

「米国の継続的な成長期待ができる企業への投資を行うというコンセプトのもと、長年、運用実績が良いため」(北陸信越地方の第二地銀・本部)。「過去・現在・将来にわたって成長し続ける米国株式が投資対象だから」(証券会社・本部)。

同じく1位に並んだのは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。これまでは同シリーズの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が上位となるケースが多かったが、今回は同ファンドのほうが多くの支持を集める結果となった。世界的にマーケットの潮目が変わりつつある中、米国に偏るのではなく、全世界の株式に分散したいというニーズが高まっているのかもしれない。

「世界の株式に分散投資できるから。アメリカだけだと不安もある」(東海地方の地銀・支店)。「ノーロード、信託報酬が低い。実際に積立を何年も続けてきて、長期分散積立投資の効果を実感しているから」(関東地方の地銀・本部)。