交通事故に遭うと、保険会社へ保険金を請求できます。時にはこの制度を悪用し、事故を偽装したり過剰な診療を受けたりして保険金を過剰に請求しようとする人がいます。

このようなことをすると保険金詐欺になる可能性があるので、やってはいけません。

本稿では何度も故意に交通事故に遭って保険金をもらおうとした加納さん(仮名、20代男性)の事例を元に、保険金詐欺のリスクを解説します。

交通事故に遭ったら保険金を受け取れるとしても、決して詐欺は行わないように注意しましょう。

加納さんの場合

加納さんは地方で働く会社員です。給料は高くはありませんが、特に困らずに生活できていました。ただし貯金するほどの余裕はありませんでした。

そんな時、加納さんは交通事故に遭ってしまいました。歩いている時に、近くを走っていた自動車に接触されたのです。

幸い大ケガはせずに済みましたが、通院治療が必要となって半年以上通院を継続しました。

意外と多かった保険金

事故後の通院が終わると、保険会社同士で示談交渉が始まりました。加納さんは半年以上通院していたので、慰謝料が70万円以上支払われました。また会社を休んだので休業損害も払われましたし、通院交通費も出してもらえました。もちろん治療費は全額相手の保険会社が負担しています。

結局加納さんは、交通事故によって100万円以上を手にすることができました。交通事故に遭ったからといってこのような大金を受け取れるとは考えていなかったので、加納さんにとってはむしろうれしい驚きでした。