海外の治療も公的医療保険が補償
海外で地震などの災害に巻き込まれた場合、現地で治療を受けることもあるでしょう。命には代えられませんが、海外の医療費は高いとよくいわれていることから、経済的な負担を心配する人もいるかもしれません。
実は日本の公的医療保険は、海外での治療で発生した医療費を補償する仕組みもあります。「海外療養費」と呼ばれる制度で、保険診療として認められている治療を海外で受けた場合、日本国内の治療と同様に自己負担分を除いた額の支給を受けられるものです。現地通貨で医療費を支払った場合は、支給決定日の為替で支給額が決まります。
為替の影響がありますが、現地で日本の保険診療と全く同じ治療が受けられれば、国内で治療を受けるケースと自己負担額は基本的に変わりません。しかし医療体制が異なる海外では、日本の保険診療として認められていない治療が行われることもあるでしょう。その場合、保険診療以外の部分は海外療養費の対象外となります。また治療から2年を経過した場合、時効によって海外療養費を請求できなくなります。
なお、医療ツーリズムなどを利用し、当初から治療を目的として渡航して診療を受けた場合、海外療養費の支給を受けることはできません。