複数の視点から見る売上高の実情
過去の全国百貨店売上高概況の前年同月比を見ると、2022年3月にプラスに転じて以来、2023年1月まで11カ月連続で前年同月比を上回っています。さらに、2022年4月、5月、6月、8月、9月、10月、そして2023年1月は2桁の伸びで、2022年5月に至っては前年同月比57.48%という非常に高い伸び率を見せました。
しかし、上記のように2017年1月からの実数を棒グラフにしてその推移を見ると、2020年1月を境に、売上高に断層があることが見て取れます。
つまり2017年1月から2019年12月までの売上高に比べて、2020年1月以降の売上高は一段低いのです。これは言うまでもなくパンデミックによる経済活動の低迷による影響です。
過去にパンデミックが理由で行われた行動制限を並べると、
<緊急事態宣言>
第1回目=2020年4月7日~5月25日
第2回目=2021年1月8日~3月21日
第3回目=2021年4月25日~6月20日
第4回目=2021年7月12日~9月30日
<まん延防止等重点措置>
第1回目=2021年4月5日~9月30日
第2回目=2022年1月9日~3月21日
という時系列になります。
つまり、特に行動制限がなかった2022年3月21日以降は、人々が日常を取り戻しつつあった時期であり、百貨店売上の前年同月比もそれを反映した数字になっています。
しかし、実はそれでも全国百貨店の売上高は、コロナ前と同じレベルにまでは戻っていないというのが実情です。