破綻が相次いだ「第三セクター」とは

WTCの運営会社のように、官民が共同で設立する法人を「第三セクター」と呼びます。公共性の高い事業などで設立されるケースが多く、WTCでは不動産会社や総合商社といった複数の民間企業と大阪市の共同出資によって運営会社が設置されていました。ちなみに、国や地方公共団体が経営する公企業を「第一セクター」、民間の私企業を「第二セクター」と呼びます。

第三セクターは2000年代に巨額の倒産が相次ぎました。出資分を通じて地方財政の悪化を招いたことから、その経営が問題視されるようになります。事前の見通しが甘かったこと、また経営が悪化してからも手を引くことができず赤字が積み上がったことなどが指摘されています。

【主な第三セクターの破綻】

出所:参議院 臨海三セクの債務処理と再生

もっとも、2000年代は第三セクターに限らず多くの企業が倒産しました。バブル崩壊で金融機関が多くの不良債権を抱えるようになり、その処理に伴う痛みが表面化したことが理由の1つと考えられています。

【倒産企業の負債総額の推移】

東京商工リサーチ「全国企業倒産状況 倒産件数・負債額推移」より著者作成

拡大画像表示