億円超えマンションを狙う人たちが見逃している“あるリスク”

ただ、現在の年収に合わせて目いっぱいのローンを組んで高額物件を購入することのリスクは、認識しておくべきでしょう。

まず現在の収入ですが、これからも順調に年収が増え続けるなら問題ありません。しかし、果たしてその保証が今の会社にあるでしょうか。もちろん能力が非常に高く、出世していける人であれば、年収もどんどん上がっていくでしょう。

でも、これからの時代は同じ会社で働く同期の間で、優勝劣敗がはっきりしてきます。高度経済成長だった時のように、全員が一定水準まで昇進し、それに伴って給料も増えていくという時代ではないのです。優秀な人材は給料がどんどん増えますが、そうでない人は全く給料が増えないことも、十分に考えられるのです。

給料が増えないことに加えて、共働き家庭が世帯年収ギリギリのところで目いっぱい住宅ローンを組んだ場合、夫婦の片方が働けなくなった場合のリスクもあります。いずれかが病気になる、大きなケガをする、あるいは出産によって会社を辞めるという事態も起こりうるでしょう。最近は女性が産休明けに職場復帰しやすい環境を整えている会社も増えていますが、もし会社を辞めてパート勤めをするという選択肢を取った場合、世帯年収は大幅にダウンします。