インデックス型の勢い増すも、いまだアクティブ型が6割超

その他、気になるデータとしては、ETFを除く公募株式投信のアクティブ型とインデックス型の対比があります。昨今、個人に人気の高いインデックス型ですが、2012年時点のインデックス型の割合は全体の8.7%で、2022年は26%まで高まっています。

かなり増えてきたのは事実ですが、それでも全体の61.8%はアクティブ型です。運用会社からすれば、信託報酬率が極端に低い現状において、インデックス型だけでは経営を維持できず、やはりアクティブ型をある程度中心にせざるを得ないのが現実です。

 

運用管理費用は「安さこそ正義」というわけでもない

その関連で言うと、このファクトブックには公募株式投信における運用管理費用(信託報酬)の推移がグラフで表示されていますが、2022年時点におけるインデックス型の信託報酬率は平均0.38%であるのに対し、アクティブ型のそれは1.14%です。それでも2016年におけるアクティブ型の信託報酬率は1.20%のため、徐々にアクティブ型でも信託報酬率の引き下げが進んでいるのが分かります。

消費者である個人の立場からすれば、コストは安いに越したことはありませんが、あまりにもコストが下がると、運用会社の経営に関わる問題が生じ、運用の継続性に疑義が生じてしまいます。

信託報酬率は安いことが正義ではなく、プロダクツを組成している運用会社と、コストを負担する受益者の双方が納得できるような情報開示の仕組みをつくり、合理的な料率設定ができるようにすることが肝心です。

もうひとつ、見ておきたいのが確定拠出年金(DC)の動向です。企業型と個人型の加入者数ならびに資産額の推移が示されています。両方とも順調に加入者数ならびに資産額が順調に伸びていることが分かります。

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本稿で紹介したのは、ファクトブックに掲載されているデータの一部です。全体の内容は投資信託協会のサイトからダウンロードできるので、興味のある方は一度目を通してみることをお勧めします。