一般社団法人投資信託協会が、「投資信託の主要統計等ファクトブック」を公開しました。
今回のファクトブックは、2022年12月末までの、過去10年間の国内投資信託市場に関する動向を、データでまとめたものです。投資信託を保有していて、自分の持っている投資信託に関する情報は多少把握していても、日本の投資信託マーケット全体の情報を知らない人は多いのではないでしょうか。
このファクトブックには普段、あまり触れることのない国内投資信託市場全体の情報が掲載されています。投資信託を持っている人は一度、目を通してみることをお勧めします。
国内投資信託の大半は株式投信
まず全体像から見ていきましょう。個人の多くが保有している投資信託は「公募投信」と呼ばれるものです。2022年12月末時点の純資産総額は168兆7235億1600万円で、運用されている投資信託の本数は5955本です。
国内で設定・運用されている投資信託には「私募(しぼ)」といって、募集人数が50名未満、もしくは1人以上の適格機関投資家に限定して販売されるものがありますが、これは基本的に個人を対象にしていないので、本稿の説明からは省きます。
公募投信は広く一般に募集・販売されるもので、私募投信にある募集人数の制限はありません。現在、公募投信は契約型投信と投資法人があり、前者はインデックスファンドなど、銀行や証券会社などの金融機関窓口で募集・販売されているタイプです。また後者は、受益証券が証券取引所に上場されていて、株式と同じように取引所で売買できるものです。不動産投資信託がその中心です。
ちなみに全体像で言うと、契約型投信の純資産総額が157兆1991億9300万円で、公募投信の93%を占めています。かつ、そのなかでも株式投信の純資産総額が142兆7485億5900万円ですから、国内投資信託の大半は株式投信であることが分かります。