分配金利回りが下支えするJ-REITにも影響?
こうなると、気になるのがJ-REITの価格推移です。東証REIT指数は、2020年3月のコロナショックで1138.04ポイントまで低下した後、2021年7月13日に2200.02ポイントの戻り高値を付け、2023年1月16日時点では1822.78ポイントまで調整しています。
こうしたなかで厳しさを増しているのがオフィスビルを組み入れて運用しているJ-REITです。
オフィス系J-REITでは最も時価総額が大きい「日本ビルファンド投資法人」の取引価格は、2020年2月21日に89万6000円まで値上がりした後、コロナショックの影響で2020年10月29日に52万2000円の安値をつけ、そこから2021年10月21日には74万7000円まで戻したものの、2023年1月16日時点では56万円まで下落しました。
とはいえJ-REITの場合、取引価格が下落しても、分配金利回りが下支えすると言われています。ちなみに日本ビルファンド投資法人の分配金利回りは、1月16日時点で4.10%です。長期金利が徐々に上昇しているとはいえ、超低金利が続く日本国内で、年4.10%の利回りを得られる投資商品は、ほとんどありません。そのため、消去法的にJ-REITを買う動きが続くのではないかという見方もあります。
ただ、前述したようにオフィスビルには、供給過多による賃料低下という問題があります。J-REITに組み入れられている物件の賃料が低下したら、現状の分配金を維持するのに支障を来します。2023年は、オフィス系J-REITにとって厳しい1年になるかも知れないリスクを、ある程度、想定しておく必要がありそうです。