2022年のバランスファンドの運用成績は悪化

バランスファンドとは、国内外の株式、債券、REIT(不動産投資信託)などに分散投資する投資信託である。1つのファンドで投資対象の分散や地域分散が期待でき、単一資産のファンドと比較すると、分散効果によりリスクが低減されるため、リスクあたりのリターン(投資効率)が高まるというメリットがある。また、定期的にリバランス(銘柄入れ替え)を行うファンドが多いため、資産配分が当初の想定から大きく外れることがない。一方、コストが高いことや仕組みがわかりにくいことがデメリットである。

また、バランスファンドは、特定の投資対象に特化したファンドとは異なり、様々な投資対象が含まれているため、株価や為替、REIT価格など様々な要因の影響も受ける。バランスファンドは様々な投資対象に分散投資しているが、これだけで絶対に安全というわけではない。バランスファンドを購入する前に、どのような投資対象にどれだけ投資しているのか、きちんと確認する必要がある。

2022年はバランスファンドの運用も苦戦を強いられた。2020年3月のコロナショック後に大きく上昇してきた成長株(グロース株)は、FRBが金融引き締めを進めたために年初から大きく値下がりした。また、歴史的な高インフレで各国の中央銀行が利上げをしたことから債券価格が下落するなど、多くの資産が下落したことが、複数の資産に分散投資するバランスファンドにも逆風となったからである。