バランスファンドの2022年リターンランキングと注目ファンド

バランスファンドの2022年リターンランキングは、以下の通り。

出所:三菱アセット・ブレインズ提供のデータを基に編集部作成

この中から、注目ファンドを2つ紹介する。

BNPパリバ・ブラジル・ファンド(バランス型)

ブラジルの株式と、ブラジルの債券に50%ずつ投資するバランスファンド。株式の部分はブラジルに本社を置く企業またはブラジルで主に事業活動を行っている企業が発行する株式に投資し、原則として、為替ヘッジは行わない。バランスファンドではあるが、ブラジルの株式や債券に投資するのでリスクとリターンは高い。たとえば、ポートフォリオの債券の平均格付けはBBで、平均利回りは12.70%である。格付けBB以下の債券は「ハイイールド債」とも呼ばれ、発行体の信用力が低いため利回りは高いものの、債務不履行(デフォルト)の可能性が高いことから流動性が限られており、価格変動が大きいというリスクがある。また、ブラジルなどの新興国で特有のリスクとして「カントリー・リスク」がある。新興国は政治・経済・社会情勢の変動が先進国と比較して大きく、政治や経済、社会不安が証券市場に大きな影響を与える可能性がある。高いリターンを期待できるファンドではあるが、リスクも高いので分散投資の一部として投資するべきであろう。

■BNPパリバ・ブラジル・ファンド(バランス型)
基準価額 5785円
信託報酬 1.87%(年率・税込)
純資産残高 20億円

<騰落率>
1カ月 -4.5%
3カ月 -6.6%
6カ月 -0.9%
1年     29.1%

※12月末時点

アムンディ・サステナブル・インカム・ファンド 

「アムンディ・サステナブル・インカム・ファンド」は、世界の株式と債券に投資するバランスファンドである。ただ、株式ではMLP(エネルギー事業を主な収益源とする共同投資事業形態)やREIT(不動産投資信託)、債券ではハイイールド債券や新興国債券など利回りの高い商品に投資するので、同ファンドのポートフォリオの利回りは8.40%と高い。2022年は216.52億円の資金流入があり、純資産残高は365.32億円となった(2022年12月末時点)。高い利回りが期待できるファンドとして、2023年も資金流入が続くかどうかに注目している。

■アムンディ・サステナブル・インカム・ファンド
基準価額 1万4077円
信託報酬 1.58%(年率・税込)
純資産残高 350.9億円

<騰落率>
1カ月 -2.12%
3カ月 2.59%
6カ月 6.29%
1年     22.45%

※11月末時点

バランスファンドの2022年資金流入額ランキングと注目ファンド

バランスファンドの2022年資金流入額ランキングは、以下の通り。

出所:三菱アセット・ブレインズ提供のデータを基に編集部作成

のむラップ・ファンド(普通型)

国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、世界各国(日本を含む)のREIT(不動産投資信託)を実質的な主要投資対象とするバランスファンドで、リスク水準の異なる「保守型」「やや保守型」「普通型」「やや積極型」「積極型」の 5 つのファンドで構成されている。各資産への投資配分比率は、各資産の期待リターン、推定リスク、各資産間の相関係数を基に決定。リスク資産(国内株式、外国株式、グローバルREITの合計)の投資比率は、原則として、保守型は50%以下、やや保守型は60%以下、普通型は75%以下、やや積極型は85%以下、積極型は制限なしとする。2022年12月末時点のリスク資産の比率は、「普通型」で51.5%となっている。「普通型」には2022年に761.48億円の資金流入があり、純資産残高は2254.72億円となった。2022年の年間リターンは-6.37%となったものの、2010年3月15日から2022年10月14日までの設定来騰落率は126.5%、年率6.7%と安定的なリターンをだしているので、2023年も資金流入が続く可能性は高いだろう。

■のむラップ・ファンド(普通型)
基準価額 2万1835円
信託報酬 1.353%(年率・税込)
純資産残高 2254.72億円

<騰落率>
1カ月 -4.7%
3カ月 -1.7%
6カ月 -3.7%
1年     -6.4%

※12月末時点