クラウドソーシングサービスを活用して収入アップを目指す

由紀子さんは以前、子育ての空き時間を利用してWEBデザインを本格的にスクールで勉強していました。きちんと対価を受けて仕事をするスキルは十分あるわけです。今後クラウドソーシングなどを利用すれば、今の倍、あるいはそれ以上稼げる可能性があります。

「在宅ワークなんて、いわば内職でしょう。それで自立なんてできっこないと思い込んでいました。でも、健吾のことを心配しながら外で働くのは難しいので、自宅にいながら仕事ができるなら、それでやっていきたいです」

当面の行動目標として、WEBデザインの仕事が豊富なクラウドソーシングに複数登録し、可能な限り案件に応募することにしました。由紀子さんも仕事が増えれば、在宅ワークで自立することへの視界が広がるでしょう。

最終的に親子2人で生活できる程度の収入が得られるか、頑張ってみる価値はあるはずです。

個人事業主になるのなら、青色申告がおすすめ

会社で雇用されるのではなく在宅ワークをして働くということは、個人事業主になることを意味します。

個人事業主の収入は給与収入とは税制が異なります。そのため、今後もずっと個人事業主でやっていくつもりであれば、税務署に「開業届」を提出し、「青色申告」をしたほうがよいでしょう。

由紀子さんがやっているWEBデザインのような仕事は、仕入れもなく、大きな経費がそれほどありません。ただし、所得税は収入から経費を差し引いた所得にかかります。経費が少ないと、収入に対してほぼダイレクトに税率がかかることになり、手取りが少なくなってしまうのです。

その対策として、青色申告をすることで、最大65万円の青色申告特別控除が適用され、認められる経費の幅も白色申告より広くなります。

注意しておきたいのは、青色申告のためには複式簿記による帳簿付けが必要なこと。面倒に感じる人もいるようですが、クラウドの会計ソフトなどを利用して入出金を記帳する習慣をつければ、確定申告の時期には申告書を印刷するだけで済みます。