シャープレシオで比較するとやや改善

あまりにも悪い成績なので、少し違った比較をしてフォローをしてみます。先ほどアクティブファンドは、「ベンチマーク(指数)以上の収益を目指すファンド」と紹介いたしましたが、実は「決められた運用方針、コンセプトにそって運用するファンド」が、より正しい実態を表していると言えるのではないでしょうか。 

例えばローリスク・ローリターンのコンセプトを掲げているアクティブファンドを、日本株に投資しているととはいえ、単純にリターンだけで日経平均などの指数と比べるのは、あまりよろしくないですよね。 

ですが、やはりファンドが良いのかを比較するのは大事かと思っております。そこでモノサシにされているのがシャープレシオになります。計算方法は下記の図になるのですが、リターン(収益率)をリスク(標準偏差)で割っています。

 

リスクが小さい、もしくはリターンが大きいほど、シャープレシオの数字は大きく・良くなっていきます。この評価でどれだけ効率よくリターンを得られたかを見ることができるので、違う性質のファンドの比較で使われています。

先ほどと同じく、モーニングスターのサイトでシャープレシオを比較してみました。こちらも10年で比較したかったのですが、3年基準で比較してみました。
eMAXIS 先進国株式インデックスはシャープレシオが0.80 。130本のうち27位になりました。外国株のアクティブファンドは、シャープレシオで見た場合、少し良くなりましたが、それでも8割のアクティブファンドが指数に負けています。

日本株では、eMAXIS 日経225インデックスはシャープレシオが0.44 。333本のうち170位です。一方で日本株のアクティブファンドは、ほぼ真ん中と、こちらも少し良くなっています。

とはいえ、TOPIX(東証プライム市場の全銘柄が対象の指数)では135位になり、約6割のアクティブファンドが負けているという、厳しい現実となっています。

しかも、投資信託には償還と言って、運用が終了されることがあります。予定通り満期になって終了となるものもありますし、運用成績が芳しくない・お金が集まらず運用が難しいなどの理由で、途中で終了しているものもあります。特にアクティブファンドの場合、実際は10年未満で終了してしまうものも多いので、長期保有しやすいアクティブファンドというのは非常に少ないと言えます。

ご覧いただいたように玉石混交となっているアクティブファンドですが、良いファンドがあるのも事実ですのでファンドを選ぶ際は、リターンに期待するのか、運用効率を重視するのか、運用スタイルやコンセプトに重点を置くのかなど、しっかりと基準を持つことが大事になってきます。

基準が持てないのでしたらアクティブファンドを選ぶべきではなく、多くのファンドより良い成績なインデックスファンドを選んで頂く方が正解です。インデックスファンド・アクティブファンドに限らず、相場は大きな変動をしていきますので、言葉が表すように、信じて託せるファンドと、資産形成の道を歩んで頂ければと思います。