干ばつに禁酒令…未曽有の危機に直面する南アフリカワイン

ブドウ生育の条件に恵まれた南アフリカですが、近年は干ばつで厳しい環境が続いています。干ばつは2015年ごろから大規模になり、同国の農業は大きなダメージを受けました。特に2018年から2019年は、アフリカ南部の広い地域で1981年以降最少の降雨量を記録するなど、深刻な被害が生じます。これらを受け、南アフリカはワインの輸出量が大きく減少しました。

【南アフリカのワイン輸出量(リットル)】

Wines of South Africa「SOUTH AFRICAN WINE INDUSTRY STATISTICS」より著者作成

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さらに南アフリカ国内においても、ワイン消費量が急減する事態となりました。新型コロナウイルス感染者が急増したため、南アフリカ政府が酒類の販売を禁じる厳しい処置を下したのです。南アフリカ国内のワイン消費量は2020年、前年比で2割以上減少してしまいました。

【南アフリカのワイン消費量(リットル)】

OIV「STATE OF THE WORLD VINE AND WINE SECTOR 2021」より著者作成

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2021年は輸出と国内消費の双方が伸びていることから、南アフリカワインは危機から脱しつつあることがうかがえます。しかしアフリカ地域の干ばつは慢性的に起こっており、また新型コロナウイルスの終息は依然見えません。今後も厳しい環境が続く可能性は十分にあるでしょう。

南アフリカワインは、比較的価格が安く、コストパフォーマンスに優れるとよく評価されています。応援するためにも、今日は南アフリカワインで乾杯してみてはいかがでしょうか。