「最後は日本で暮らしたい」思いを歴史的な円安が後押し!?

そんなこんなを考えると、「ふるさと日本」に帰り、いろんな意味で心安らかに老後を暮らしたほうがいいと判断する人が増えているのも分かります。

ずっと住んできた自宅を売れば、アメリカ不動産はそれなりに価格が上昇していることもあり、日本の有料老人ホームの入居時一括払い費用をカバーする資金はできます。しかも今、一時よりは落ち着いているとはいえ、円安ドル高なので同じ資金でもかなり有効に働いてくれます。

アメリカのソーシャルセキュリティ年金も、日本で受給することができます。アメリカの年金は年々着実にインフレ対応があり、給付水準は上がっていきます。2022年から2023年にかけては年金が8.7%増額します。それを考えれば、為替の上下はあったとしても、おそらく老人ホームの月額使用料は払っていけるだろうと推測できます。日本の掃除の行き届いた、清潔できれいな施設に住んで、日本語でコミュニケートし、だしのきいた料理が食べられる……こういう計算で「終の棲家」を日本に求める人も出てきているのだと思います。生まれ育った国というのは、やはりいつまでたっても心の拠り所であるのだと思います。