経済成長を取り込もう
このようにして、「日本株式会社」の利益は、レバレッジ効果により、日本経済全体の成長率よりも高い率で増加することになります。
私たち普通の市民も、この利益成長の恩恵にあずかりたいものです。「日本株式会社」は架空の存在でその株式を買うことはできませんが、TOPIX(東証株価指数)に連動する投資信託を購入することにより、実質的に東証1部に上場する全上場銘柄の株式を買うのと同じ経済効果が得られます。
投資の世界では、「国内株式」や「新興国債券」など投資する資産の種類(運用対象資産)から将来得られるであろうリターンを期待収益率と呼びます。
私たち日本国民の厚生年金と国民年金の運用を行っているGPIFが公表している「国内株式」に投資した場合の期待収益率は年率5.6%です。株式投資からのリターンが経済成長に比例するなら、日本よりも高い経済成長が見込める国の株式に投資すれば、より高いリターンを得ることも期待できそうです。
事実、GPIFによれば、アメリカや欧州諸国を含む「先進国株式」の期待収益率は7.2%ですし、「新興国株式」への投資から期待されるリターン(期待収益率)はもっと高いことが知られています。