この先の40年、前を向いて笑顔で過ごすために大切なもの

20歳で社会人となった人なら、60歳の定年までに40年間働いてきたことになります。そして、人生100年時代と言われる今、定年後の時間も40年ほどあります。

これまでを振り返ると、結婚し、子どもが生まれ、家を買い、会社では重責を担い、忙しさの中にも満足感や充足感を得た、あっという間の40年間だったのではないでしょうか?

筆者もファイナンシャルプランナーとしてお客様のライフプラン相談を承っていますが、いわゆる現役世代のご相談は、大変そうではありますが喜びも多く、まさに人生の最盛期を生きていらっしゃるのだなと思うことが多々あります。

一方、定年後の40年間についてご相談の場合、親や友人が亡くなって寂しかったり、自身の健康状態にも不安があったりで、ちょっと心がお疲れの方も多いです。さらに、退職金はあるものの、継続雇用でいただける給与は少ないし、ありがたい年金もいざ金額を見るとため息が出そうだと、懐具合も寂しい方も少なくありません。

でも、これからの40年、肩を落として暮らすなんてもったいない。しっかり前を向き笑顔で過ごしたいものです。

実際これからの生活設計をする際は、「今」を起点に考えるのはNGです。第1回(50代はカモられやすい!? “75歳”を想像してマインドセットの刷新を)でご紹介した「75歳の自分」をイメージしながら逆算して、今取り組むべきことを一つ一つ実行する「オイカツ」が重要です。過去11回の記事を通して、これからの働き方、公的年金や保険、資産運用のお話などをしてきましたが、みなさんの「オイカツ」は順調でしょうか?

これまで主にお金についての情報をお伝えしてきましたが、今回は「目に見えない資産」――すなわち人とのつながりの大切さについて改めてお伝えしたいと思います。