リスクを抑えると結果はどうなる？

それでは、リスクを抑えてシミュレーションしてみましょう。年金運用の世界では、リターンを狙いリスクを抑える方法として、分散投資をしています。今の年金運用では、ちょうど4等分の25%ずつで、国内・外国の株式、国内・外国の債券への投資という、分散投資をしています。世界の株式や債券に分散投資することで、リスクを12%に抑えているということです。もちろん債券なども入っているため想定しているリターンは下がり、4.0%になっています。

それでは、この分散投資の配分をまたモンテカルロ法でシミュレーションしてみます。

まず目につくのが、リターンが抑えられていることで、期待リターンが約1100万円と、先ほどの外国株式1600万円の時に比べ低い結果となっていることです。しかしながら、中央値も最頻値も期待リターンに近い数値となっています。

元本割れする回数も少なくなっています。ただ、もちろんですが、リスクが抑えられているので、大きく増えているシミュレーション結果も少なくなっています。やはり、リスクとリターンは分かりやすい関係になっています。

ここでお伝えしたいのは、「〇%で運用して、何年後には〇〇万円」というのは、可能性の1つであるだけで、リスクがある投資をしていることで、上振れして大きく増える場合もあれば、残念な時期が続き、投資した金額より少なくなる場合もある、ということです。ですから、投資は余裕資金や無理のない範囲で、長期に続けるべきだと強く思っています。