オレオレ詐欺などの特殊詐欺被害は近年、被害額こそ減少傾向にあるものの、件数は依然として高い水準で推移しており、深刻な状況が続いています。「私は詐欺になどだまされない」という人でも、“コロっと”だまされてしまうこともあるようです。

今回はオレオレ詐欺被害から浮かび上がった、「高齢者のお金の管理」にまつわる事例をご紹介します。

FP相談にきたのは、オレオレ詐欺に遭った78歳女性

相談者の浜川秀子さん(仮名)は関東の地方都市に住む78歳の女性です。自動車整備工場を営んでいたご主人を約15年前に亡くし、今は1人で年金生活を送っています。自動車整備工場は長男が継いでおり、工場の敷地内に長男夫婦の住む家と秀子さんの家が別々に建っています。

そんなある日、秀子さんは県外に住む次男を装った男から、オレオレ詐欺の被害に遭ってしまいました。さらには、そんな失意の中、なじみの銀行の担当者にその話をしたところ、高額の外貨建ての保険を勧められたと言います。

秀子さんには、その保険の内容や必要性が全く分かりません。そこで、保険に入るべきかどうかをFPに相談しようと思い至ったそうです。