FXの上手な活用法

FXは基本的に為替差益の獲得を目指して行う取引ですが、為替差益を得られる商品はFXに限りません。FXはどういうときに利用を検討すべきなのでしょうか。

FXは「海外の通貨だけに投資したい」というケースで検討したい商品です。例えばドル円レートの上昇を予想したとき、アメリカ株式に投資する方法でも為替差益に期待できます。しかしアメリカ株式自体も変動するため、仮にアメリカ株式が下落した場合、うまく為替差益を得られません。

特に今年はそのような状況となっています。9月末までにおいて、ドルは円に対して上昇したものの、アメリカの代表的な株価指数「S&P500」はドルの上昇を打ち消すほど下落しました。

【2022年におけるS&P500とドル円の推移(1月3日を100とした場合)】

Investing.comより著者作成

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また、FXは売り(ショート)から取引を始めることができるため「為替ヘッジ」に用いることもできます。例えばアメリカ株式を1万ドル分買うとき、同時に1万ドル分ドル円のショートポジションを持てば、アメリカ株式の買いに伴う為替リスクの相殺が可能です。円安傾向の今年は為替ヘッジしない方がリターンを得られたでしょうが、相場が反転すれば有効になるかもしれません。

さらに「外貨預金の代替」としてFXを活用する方法も選択肢です。外貨預金は円を海外の通貨に交換して預ける預金商品で、円安になれば為替差益を得られます。しかし外貨預金はFXよりコストが高いケースが多いため、同じような値動きならFXの方が大きな利益を得やすいでしょう。

外貨預金は円預金より高い金利収入にも期待できますが、FXでも金利は収益源の1つです。「低金利通貨の売り&高金利通貨の買い」となるようにポジションを取れば、一般に通貨間の金利差に相当する「スワップポイント」を得られます。レバレッジをかけずにFXを行えば、実質的に外貨預金とほぼ同じ投資効果を得られるでしょう。近年は外貨積立預金のように、低いレバレッジ率で少しずつポジションを積み立てる「積立FX」というサービスも増えてきました。