原油は今後どうなる?

原油価格は6月に高値を付けて以降、足元では下落しています。原油価格は今後どのように推移するのでしょうか。

原油価格の上昇になり得る材料として、「OPECプラス」があります。本記事執筆時点では明らかになっていませんが、10月5日のOPECプラスでロシアが減産を提案すると見られています。減産に合意できれば需給の引き締めの思惑が働き、原油価格を上昇させるかもしれません。

反対に、イランが核合意に復帰できると原油価格を押し下げる可能性があります。イランの核合意とは、イランが核開発の制限を受け入れる代わりに、主要国が対イランの経済制裁を緩和するもので、2015年に合意しました。しかし2018年にトランプ元大統領がイラン核合意を離脱して以来、イランは原油を輸出しにくい状況になっています。

イランとアメリカは核合意再建に向けた協議を何度か行っており、今年8月にも再開しました。もし合意できれば再びイランに対する経済制裁が緩和され、イランの原油輸出が拡大するかもしれません。そうなれば需給が緩む要因となり、原油価格の下落圧力になると考えられます。もっとも、イラン核合意再建に向けた協議は難航しており、合意の可能性は低いと指摘する声も少なくありません。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。