・宝くじで1億円当たるももらい忘れ…あまりに気の毒な“時効”に注意

詐欺事件が後を絶ちません。例えば「オレオレ詐欺」に代表される特殊詐欺の場合、2010年に約110億円だった実質的な被害額は2014年に560億円以上にまで急増し、2021年も280億円以上の被害が発生しました。特殊詐欺1つとってもこれだけの被害ですから、詐欺全体でどれくらいの被害者がいるか想像もつきません。

【特殊詐欺の被害額および認知件数】

警察庁「特殊詐欺認知・検挙状況等について」より著者作成

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近年大きな被害を出した詐欺事件の1つが「ケフィアグループ」による「オーナー商法」です。4年前の9月3日に破産し、およそ1000億円もの被害を出しました。代表者には詐欺などの罪で7年の実刑判決が下されています。

ケフィアグループはどのような手口で1000億円もの資金を集めたのでしょうか。本記事で概要を解説します。

被害額1000億円! 高額配当をうたい資金を集める手口

ケフィアグループは、干し柿やメープルシロップといった商品のオーナーになるよう持ちかけ、多額の資金を集めました。消費者庁によると、ケフィアグループが持ちかけたオーナー契約は、およそ半年で満期を迎え、契約時に支払った金額に約10%を加算した額を購入者に支払うものでした。つまりケフィアグループは、実に20%もの高利回りを約束し資金を集めていたのです。

当然それほどの高利回りを維持できるわけもなく、ケフィアグループは遅くとも2017年12月ごろから支払いが滞るようになり、消費生活センターに相談が殺到するようになりました。

そして2018年9月3日、東京地裁はケフィアグループの破産開始を決定します。オーナー商法を手掛けていた「ケフィア事業振興会」の負債総額はおよそ1000億円、債権者は3万人を超えました。その多くがオーナー商法の被害者だとみられています。被害者の中には老後の生活資金をだまし取られ、家族関係にひびが入った人もいたようです。

ケフィアグループの破産手続きは現在も進行中で、先日はケフィア事業振興会の債権者(被害者)に対する約10億円の中間配当が決定されました。しかし、配当すべき債権額は1000億円を超えており、配当率は1%に過ぎません。これは、被害額の1%ほどしか返ってこないということです。今後も破産手続きは進みますが、被害の弁済には期待できないでしょう。