自転車も注意! 1億円近い賠償命令も
「ながらスマホ」が危険なのは車だけではありません。自転車の運転中も道路交通法違反であり、また相手にけがをさせると重過失傷害罪に問われる可能性もあります。
自転車事故を起こすと、刑事罰だけでなく、重い賠償責任を負う可能性にも注意が必要です。近年は高額な賠償命令が出される判決も増えてきました。
【自転車事故で高額賠償命令が出されたケース】
交通事故で相手に損害を与えた場合、賠償の義務を負う点は車も同様です。しかし車は基本的に「自賠責保険」に強制加入しており、相手への賠償はある程度保険から補填されます。
しかし自転車の場合、強制保険がありません。このため、自己資金から賠償金の全てを支払わなければならないケースが懸念されます。資金不足から相手への賠償が滞り、被害者の救済が難航するケースが問題視されるようになりました。
これを受け、多くの自治体は「自転車保険」への加入を義務付けています。自転車保険とは一般に、賠償責任が生じた場合の損害を補償する「個人賠償責任保険」と、自身のけがを補償する「傷害保険」がセットになった保険のことです。自転車を頻繁に利用する人は加入を検討してください。
ただし、自転車保険は、火災保険や自動車保険に付帯しているケースも多いです。補償が重複しないよう、事前にチェックしておきましょう。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。