「共済」と「保険」の違い

ところで、生協は「CO・OP共済」という保険のような商品を取り扱っています。ラインアップも充実しており、入院や手術などを保障する医療保険に相当するものや、自宅の損害などを補償する火災保険に相当するもの、自動車事故の賠償責任などを補償する自動車保険にあたるものなど、商品の取り扱いは一般的な保険会社に引けを取りません。

保険と共済はどう違うのでしょうか? 大きな違いはその目的にあります。保険は一般に営利を目的に運営されますが、共済は営利を目的としていません。組合員やその家族といった限られた範囲全体の幸福を目的に運営されています。その一環で、掛け金(保険料に相当)の還元率の大きさをうたう共済も少なくありません。中には集めた掛け金の100%還元を目指している共済もあります。

また保障内容の違いもあります。商品次第というところもありますが、一般的な保険は保障の範囲を広くしたり、数億円の保険金を設定したりと、手厚い内容で契約可能です。それに伴い保険料が高くなることもあるでしょう。一方、共済の保障内容は小規模にとどまるものが多く、保険と比べると契約できる保障範囲や共済金(保険金に相当)が限定的です。しかしその分、少ない掛け金で加入しやすいでしょう。

もっとも、保障内容と保険料(掛け金)は基本的につり合うため、そのいずれかだけでどちらが優れているか断じることはできません。保障内容が手厚いなら保険料(掛け金)も高いはずで、保険料(掛け金)が少ないなら保障内容もそれなりになるためです。保険と共済を商品として見たとき、両者の違いが直接的に優劣を分けることにはならないでしょう。

加入者全体で支え合うという仕組みは保険も共済も変わりません。いずれの商品に加入する場合でも、契約内容をしっかり確認し、自分にぴったりのものを選ぶようにしましょう。