中小企業の強み、メリットとは?

中小企業が人手不足を解消するには、働く人に中小企業の良さを知ってもらう必要があります。大企業と比較するとネームバリューや待遇面が劣る中小企業ですが、規模が小さいことによる魅力もたくさんあるのです。

多くの業務を経験できる

中小企業では組織が小さく人員も少ないため、1人が複数の業務を兼務することがよくあります。例えば、営業パーソンが事務手続きまでを行ったり、現場作業に携わったりするケースです。こうした業務を経験すると事業全体を俯瞰できるようになり、経営感覚が身に付きます。与えられた役割分担をこなす大企業に比べて個々の社員の裁量が大きくなり、やりがいを感じやすくなります。

意思決定が迅速

中小企業では決定権のある役員の人数が少ないため、経営の意思決定が素早くできます。大企業では経営戦略などが採択されるまでには、多くの部署や人の承認を得なければなりません。組織が小さければ良いアイデアはすぐに取り入れられ、PDCAサイクルを回しながら改良していけます。よって、見つけた商機をつかみやすくなります。

昇進・昇給が早い

成果主義が取り入れられている中小企業では、業績アップに貢献した社員はすぐに昇進・昇給が可能です。年功序列が根強い大企業では、優秀な社員もポストがないためになかなか昇進できないケースがあります。昇進や昇給は社員のモチベーションに直結するため、業績が認められた社員はますます活躍するようになるでしょう。

転勤が少ない

全国に拠点を持つような中小企業は少なく、転勤が少ない点は働く人のメリットです。全国展開している大企業では、数年ごとの転勤は想定内です。転勤族の場合、子どもが転校を繰り返すために成長期の人格形成に影響を与える可能性があります。また、時期によっては単身赴任で家族が離れて生活するケースもあるでしょう。転勤がなければ家族で生活できるだけでなく、顧客との信頼関係を長年にわたって育むこともできます。

中小企業の生き残りのために

中小企業が生き残って行くために、人材の確保は欠かせません。そのためには、大企業にはない自社の魅力を広く発信する必要があるでしょう。また、できるかぎり労働環境や待遇を改善し、働く人にとって魅力的な会社であることが求められます。

執筆/松田聡子

明治大学卒業後、ITエンジニア、国内生命保険会社での法人営業を経て、2007年より独立系FPとして開業。コンサルティングの他、企業型確定拠出年金講師や執筆活動に従事。人生100年時代を最後まで自分らしく生きるためのお金のアドバイスと情報発信がライフワーク。日本FP協会認定CFP、DCアドバイザー、証券外務員二種。