中小企業は慢性的な人手不足に悩んでいる

厚生労働省「令和2年版厚生労働白書」より筆者作成

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日本の会社の大多数は中小企業ですが、そこで働く人は全従業者の約69%であり、小規模企業では23%にすぎません。中小企業の人手は足りているのでしょうか。 

上記の表は、日銀短観の「雇用人員判断DI」(全産業)の推移です。「雇用人員判断DI」とは雇用人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を差し引いたもので、雇用人員の過不足を表す数値です。雇用人員判断DIがマイナスの状態は企業の人手不足を意味します。2012年ごろから大企業・中小企業ともに人手不足が拡大し、最近では中小企業でより深刻化しているのが分かります。

人手不足の原因は?

このような慢性的な人手不足の最大の原因として、日本の少子高齢化による20代から60代前半の生産年齢人口の減少が挙げられます。令和4年5月の有効求人倍率(1求職者あたりの求人数)は1.24倍と需要はあっても、働き手を確保するのは難しいというわけです。

また、コロナ禍を経て求職者の安定志向の傾向が強まり、大手を希望する人の増加も考えられます。

大企業と中小企業の給料はどれくらい違う?

働く人が勤務先を選ぶとき、収入は重要な要素です。大企業と中小企業の給料はどのくらい差があるのでしょうか。

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、男女別の給与月額の平均は以下の通りです。

 

やはり、企業規模による給料の格差は小さくないといえます。