神話時代にまでさかのぼる相撲の歴史
相撲の起源は、神話の時代にまでさかのぼる。古事記(712年)や日本書紀(720年)の中にある力比べの神話や、宿禰(すくね)・蹶速(けはや)の天覧勝負の伝説がある。
日本の人々の生活に深く根差し、1500年以上の歴史があるが、そもそも相撲は毎年の農作物の収穫を占う祭りとして開催され、宮廷の行事となった。
鎌倉時代以降の武士の時代である戦国時代になると、武士が相撲を戦闘のための訓練として位置付けた。織田信長は、とりわけ相撲を愛好し、居城の安土城で全国から力士を集め上覧相撲を開催した。勝ち抜いたツワモノを家臣として召し抱えたほどである。
江戸時代には、力自慢の浪人たちなどの中から相撲を職業にする人が出始める。こうした相撲取りを招集して、寺社の本堂や山門などの造営・修復費用を捻出するため「勧進相撲」を開催する。これがさらに発展し、木戸銭を取って定例的な相撲を興行する動きが広まり、今日の大相撲へと発展した。
谷風、小野川、雷電の3大強豪力士と称される力士が登場する中で、相撲の人気は大いに盛り上がる。将軍による上覧相撲が催されるなど、歌舞伎とともに一般庶民の娯楽として定着した。
髷(まげ)、着物、化粧まわしをはじめ番付表、土俵入り、取組を仕切る行司など、江戸時代さながらの日本文化としての相撲は、日本人だけでなく外国人も魅了する。
フランスで1995~2007年と12年間にわたり大統領を務めたシラク元大統領は、生涯に40回以上も来日した知日派だったが、大の相撲ファンでもあった。愛犬に「スモウ」と名付けたほどだ。