お肉も野菜で! 注目の「大豆ミート」
最近は多くの食品メーカーが代替肉に参入しています。代替肉とは一般に、大豆などの植物由来の材料を使い、鶏・豚・牛といった従来の家畜肉に似せて作った食品のことです。
代替肉は菜食主義者向けの食品というイメージが強いですが、一般消費者にも浸透してきました。代替肉は原料に大豆が使われるケースが多く、従来の家畜肉よりも低脂質・高たんぱくな傾向にあり、健康に対する意識が高い層に支持されていると思われます。もちろん、各食品メーカーの努力によっておいしい大豆ミートが登場したことも理由にあるでしょう。皆さんもスーパーなどで見かける機会が増えているのではないでしょうか。
代替肉は食料危機の打開策としても期待されています。国連(WFP国連世界食糧計画)が公表した「食料危機に関するグローバル報告書(2022年)」によると、2021年の時点で1億9300万人が危機的あるいは深刻な急性食料不安にありました。これは過去最大だった2020年を約4000万人上回る数値です。
人口が今より増加すれば食料不足はより悪化するかもしれません。国連は「世界人口推計(2019年版)」で、世界の人口は2050年にほぼ100億人に達すると指摘しました(2019年:約77億人)。その後ペースは鈍化するも、2100年までは人口が増え続けると考えられています。
【世界人口の予測】
・2030年:85億4848.7万人
・2050年:97億3503.4万人
・2100年:108億7490.2万人
(参考)2019年:77億1346.8万人
出所:国際連合 経済社会局 世界人口推計2019年版
畜産は一般に生育期間が長く、供給には限界があります。代替肉が普及すれば不足する食料をカバーできるかもしれません。また、培養肉(※)の研究も進んでおり、実用化されれば食料危機解決の一助となるでしょう。
※培養肉:牛などの動物から取り出した細胞を、動物の体外で増殖させ作られる食肉のこと。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。