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先日、政府は訪日外国人観光客の受け入れを開始しました。1日あたりの訪日外国人の数は2万人までと完全回復とはいきませんが、少しずつ社会が明るさを取り戻しつつあるような気がしますね。

今後は日本から海外への旅行を検討する人も増えてくるでしょう。現在は日本人に対して入国や行動の制限を課している国も多いですが、新型コロナウイルスの収束が進めばそれも緩和されるかもしれません。今から楽しみにしている人も多いでしょう。

ところで、日本で初めて行われた世界一周旅行をご存じでしょうか。朝日新聞社が企画し1908年に行われたものが日本初の世界一周パック旅行だといわれています。

当時の世界一周旅行はどのようなものだったのでしょうか。小林健氏の著書『日本初の海外観光旅行 九六日間世界一周』を参考に触れてみましょう。

日本初の世界一周旅行、費用は1100万円!?

日本初の世界一周旅行の主な旅程は以下の通りです。大まかに、アメリカやヨーロッパを巡る旅でした。船でサンフランシスコへ渡り鉄道でアメリカ大陸を西から東へ横断し、その後イギリスからヨーロッパ各国を巡っています。世界一周といっても、ロシアより南のアジアやアフリカには行っていないようです。

【日本初の世界一周旅行 主な行程】
・3月18日:出航(横浜)
・3月27日:ホノルル
・4月3日:サンフランシスコ
・4月16日:ニューヨーク
・4月17日:ワシントン
・5月3日:ロンドン
・5月12日:パリ
・5月20日:ローマ
・5月30日:ベルリン
・6月7日:モスクワ
・6月21日:入港(敦賀)

現代の感覚ではゆとりある行程にも思えますが、飛行機のない当時としては過密スケジュールだったのかもしれません。ホテルに宿泊した日も見られますが、船内泊や車中泊も多く見られます。

交通が現代ほど発展していないとなると、気になるのはお金ですよね。日本初の世界一周旅行の参加費は2340円となりました。これは現在の貨幣価値に直すと1170万円に相当するそうです。旅行の費用としてはかなりの高額といえるでしょう。

そのためか、参加者にはそうそうたるメンバーが名を連ねました。銀行家や会社重役、政治家といった肩書を持つ面々が参加し、中には野村證券の創業者、野村徳七も参加していたようです。日本初の世界一周旅行は政財界の主要人物が集まる社交場でもあったのかもしれません。

出所:小林健『日本初の海外観光旅行 九六日間世界一周』(春風社)