機関投資家向けの運用を個人にも提供
資本主義の世界では、お金を持っている人が、その資本を永続的に価値を生み出す素晴らしい企業に投じることによって、自らの資産を増やしていくと同時に、投資先企業が生み出す価値提供を通じて世の中が一段とより良いものになっていきます。それが資本主義の原理だということを、一人でも多くの個人に知ってもらいたい。だからこそ、NVICの運用を機関投資家だけでなく、個人にも提供するようにしました。それが「おおぶねシリーズ」です。
おおぶねシリーズのファンドは、機関投資家向けに提供しているものと全く同じです。といっても、別に難しいものを個人に提供しているわけではありません。私たちが常々、申し上げているのは、「素晴らしい企業のオーナーになって下さい」というだけの話で、これは本来誰にでも理解できるものと考えています。つまり、「おおぶねシリーズ」の投資家は、NVICを導管として、我々が選択した素晴らしい企業のオーナーになるということなのです。
だからこそ我々は、企業のオーナーである個人の受益者に、投資先企業が「いかに付加価値を創出しているのか」「参入障壁を築けているのか」「その状況が長期的に持続可能なのか」ということに関する手触り感をお伝えすることに全力をつくすのです。
投資信託のような金融商品は、普通の製品とは違って実物がないので、手触り感を出すといってもなかなか難しいのですが、私たちは「おおぶねメンバーズ・カンファレンス」というオンラインミーティングを毎月開催することによって、その実現に努めています。このカンファレンスを通じて、運用チーム自らが運用状況、投資先企業の状況、投資哲学などを、ファンドの受益者に対して直接報告しています。これは受益者であれば誰でも参加できるもので、毎回150-180人くらいの方が参加しています。一方的に私たちが話すのではなく、受益者の皆さまからも自由に質問していただくことが可能で、双方向のコミュニケーションの場にもなっています。
実はこのカンファレンスがスタートしたのは、コロナ禍真っ最中の2020年4月からです。その前月から緊急事態宣言を受けて一時的にNVICもテレワークに切り替えたのですが、外出自粛のこの時期、ジャズピアニストの小曽根真さんがフェイスブックのリアル配信で、自宅のリビングルームから「Welcome to Our Livingroom」と題したミニコンサートを53夜にわたって行ったのを、たまたま観て、これがカンファレンスを始めようと思ったきっかけとなりました。