処方箋2:歴史が証明している「長期的な楽観」を知る

次に必要になるのは、これからも積立投資を続けてもらうために、20代の娘に何を伝えるべきか? 追加の処方箋を少し考えてみました。

昨今、米国の利上げやロシアのウクライナ侵攻によるインフレ懸念、中国のゼロコロナ政策に伴う経済停滞を目にして、株価の行く末を不安視する声が高まっています。我が家の娘も積立投資を始めたので、世界情勢や投資情報へのアンテナは高くなっているはず。これも投資を始めたメリットですが、その分、逆に心配が増しているのでしょう。

でも、娘はまだ20代。短期的な悲観の向こう側に、どんな景色が待っているのか、そんなことを理解してほしいですね。過去40年間の先進国株価の推移についてグラフを作りました。ご覧ください。

 

過去を振り返ると、株価が下落し、長期に渡って低迷した時期もありました。ですから、今、言われているような要因等で、今後、先進国株式が低迷するリスクがないとは言えません。

ただし、もう一つ歴史が教えてくれるのは、経済危機や金融ショックは繰り返されますが、その後、必ず先進国の株価は回復している、という事実です。「長期的な楽観」とも呼べるでしょう。20代の娘には、短期的な悲観の向こう側にある、長期的な楽観の景色を、ぜひ思い描いて欲しいですね。

もちろん、将来のことは神のみぞ知る、ですし、日本のように失われた30年ってのも困ります。ですから、長期的な楽観という処方箋に書き加えるべきことをもう少し考えてみたいと思います。