地方経済の縮小とともに、金融機関の在り方が問われる状況に
しかし、それは日本全国で人口が増加し、どの都道府県にも一定規模の有力企業が存在していたからこそ成り立った図式と言えるでしょう。今では人口が大都市圏にばかり集中し、地方からは人口が流出する一方です。
人口が減れば商売が成り立たなくなるため、地元で事業展開していた企業は、より稼げるところに出ていくでしょうし、全国規模で事業展開しているような企業は、人口が減って経済活力のないような地域には、まず進出しません。結果、地方経済はさらに停滞し、人口の流出が加速します。今の地方経済は、まさにその悪循環に陥っているのです。
地方経済がどんどん縮小しているのに、昔と変わらない数の地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合が割拠すれば、その収益性が落ちるのは当然の話です。一方、地方企業に目を向けると、人口減少によるビジネス規模の縮小や、そこで働く人の高齢化によって、事業を成長させるための資金調達を積極的に行おうという意欲が無くなっています。つまり金融機関の側からみると、魅力的な資金の貸出先がどんどん消えてしまっているのです。