2022年5月、広島銀行で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

第1位「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」の概要

広島銀行の5月ランキング1位は、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」だった。同ファンドは、世界の高配当利回りの公益株に投資するアクティブファンドである。公益企業は電力やガス、水道など日常生活に欠かせないサービスを提供しており、一般的に景気に左右されにくく収益基盤が安定しているという特徴がある。2022年になってIT企業などのグロース株は売りが優勢になっているが、公益企業などのバリュー株には買いが入る傾向が続いている。同ファンドの5月末時点における1年間の騰落率も+24.92%と高いリターンとなっている。そして、純資産残高は1兆415億円と国内公募追加型株式投資信託(ETF除く)の中で3番目の大きさだ。6月以降も資金流入が続く可能性は高く、広島銀行のランキング上位に入るだろう。

■ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
基準価額 2,891円
信託報酬 1.81%(年率・税込)
純資産残高 1兆415億円

<騰落率>
1カ月 -0.16%
3カ月 18.65%
6カ月 20.91%
1年    24.92%

※5月末時点

全体を見て:海外株式型ファンドが人気

広島銀行では、5月も海外株式型ファンドの人気が高かった。ランキング3位の「脱炭素関連世界株式戦略ファンド(資産成長型)」は、世界の脱炭素関連企業の株式に投資するアクティブファンド。4月末時点における組入上位銘柄は、以下の通り。

1.GFLエンバイロメンタル(カナダ)
2.ビューロベリタス(フランス)
3.プロコア・テクノロジーズ(米国)
4.L&F(韓国)
5.フレッシュペット(米国)

脱炭素関連銘柄は2021年に注目され、同ファンドの基準価額も12,500円を超える水準まで上昇した。しかし、その後は売りが優勢になり4月末の基準価額は10,234円となっている。各国の金利上昇もあり、株式市場は成長株を中心に売られているからだ。ただ、世界的に脱炭素に向けた取り組みは進んでおり、「脱炭素」は中長期的なテーマだといえる。短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、長期での運用を心がけるようにしたい。

■脱炭素関連世界株式戦略ファンド(資産成長型)
基準価額 10,234円
信託報酬 1.848%(年率・税込)
純資産残高 1,242.72億円

<騰落率>
1カ月 -6.5%
3カ月 1.33%
6カ月 -14.08%

※4月末時点