トヨタ、富士通ゼネラル…製造メーカーを筆頭に日本企業へも打撃
サプライチェーンの混乱は日本国内の経済活動にも支障を及ぼしている。帝国データバンクが日本企業1653社に行った調査において、中国のロックダウンで「マイナスの影響がある」と答えた企業は全体の4割弱。とくに影響が著しい産業分野の一つとしては機械製造業があげられている。
例えば、トヨタ自動車は上海市にある工場からの部品供給が停滞している状況を受け、2022年5月の生産計画を下方修正し、国内8工場の停止を発表した。子会社のダイハツ工業も日本国内4工場の操業を数日停止する。
また、中国国内における日系企業の生産活動にも影響が出ている。上海日本商工クラブが実施した調査では、2022年4月末時点で日系企業の約6割が工場を全く稼働できていないという結果に。
上海に自社工場を持つエアコン製造大手の富士通ゼネラルはロックダウンの影響もあり工場の稼働を停止。物流の停滞や資源高も相まって、2022年3月期の連結純利益は前期比で約7割の減少となった。
供給の問題以外にも、ロックダウンによる民間消費の落ち込みといった懸念がある。近年、中国市場に軸足を移している化粧品大手の資生堂は、2022年1〜3月期の中国における売上高が前年同期比で21%減少したと発表した。3月から始まった中国主要都市の封鎖が業績に響いたかたちだ。
生産部品の調達や生産拠点を中国に依存している企業や、売り上げの中国比率が高い企業にとって中国のロックダウンは業績の下押し要因となっている。