年金は自分ではどうしようもできない「困った!」に対応する総合的な保険

厚生労働省のホームページ内では、「なぜ公的年金制度は必要なの?」という問いに対し、「私たちの人生には、自分や家族の加齢、障害、死亡など、さまざまな要因で、自立した生活が困難になるリスクがあります。こうした生活上のリスクは、予測することができないため、個人だけで備えるには限界があります。これらのリスクに備えるための仕組みの一つが、公的年金制度です。公的年金制度は、あらかじめ保険料を納めることで、必要なときに給付を受けることができる社会保険です」とまとめられています。

公的年金は老後に支給される老齢年金が真っ先にイメージされやすく、特に資産形成層の皆さんにとっては、「かなり先に受け取るもの」のイメージが強いかもしれませんが、公的年金がカバーするのはそれだけではありません。

ケガや病気で障害を負ってしまった(障害年金)、一家の大黒柱が亡くなってしまった(遺族年金)など、予測できない人生のリスクに公的年金は対応します。

様々なリスクに備えた“総合的な保険”といってもよいのではないでしょうか。

賦課方式と世代間扶養

現在、日本の公的年金は、「世代間扶養の賦課方式」を採用しています。現役世代が保険料を納め、そのときの年金受給者への支払いに充てています。子が親に仕送りをしているイメージです。

自分の納めた年金が、自分の老後のための積立でないことにモヤモヤを感じる人がいるかもしれません。

しかしながら、自分が納めた年金を積立する「積立方式」を採用した場合、急激なインフレ等があると、積み立てた年金の価値が著しく減少してしまう可能性があります。つまり、現役時代に貯めた年金額が、受給時には“目減り”しかねないということです。一方、賦課方式は経済変動に強いというメリットがあります。

それに、そもそも年金制度がなかったら――高齢になった親の暮らしを子や親族が支えることになります。果たして自身の生活を営みつつ、負担できるでしょうか? 難しいと感じるかたも多いはず。年金には高齢者の暮らしを社会全体で支える、という側面があることも忘れてはいけません。