ちょうど1年前の4月9日、ソーシャルレンディング事業者「グリーンインフラレンディング」(以下GIL社)は東京地裁から破産手続きの開始を受けます。同社の破綻は自主的なものではなく債権者に申し立てられた異例のケースでした。つまりGIL社は半ば強制的に破綻を宣告されたのです。

なぜGIL社は破綻を強いられたのでしょうか。今日はその経緯とソーシャルレンディングの仕組みについて解説します。

投資家のお金を流用した悪質な事件

GIL社は再生可能エネルギー事業に特化したソーシャルレンディング事業者です。ソーシャルレンディングとはインターネットを通じ事業者に資金を貸し出す仕組みで、GIL社のようなソーシャルレンディング事業者はその仲介を担います。

GIL社は同じくソーシャルレンディング事業者の「maneoマーケット」(以下マネオ社)を通じた募集も行っていましたが、2018年6月にマネオ社はGIL社の募集を停止します。GIL社が投資家に分配すべき原資を「JCサービス」(GIL社の親会社)に不正に送金した疑いが強まったためです。

マネオ社は資金を投資家に返還するようGIL社に求めますが解決に至らず、2021年3月8日に東京地裁にGIL社の破産を申し立てました。そして同年4月9日、東京地裁は破産手続きの開始を決定します。東京商工リサーチによると負債総額は約128億円。多くの一般投資家が被害に遭ってしまいました。

マネオ社はGIL社のケースで2018年7月に金融庁(関東財務局)から行政処分が下されています。また、他にも複数の案件で投資家に損失が生じたことから信用が失墜し、2019年7月を最後にマネオ社ではソーシャルレンディングの募集は行われていません。同年から代表取締役を交代した新体制に入っていますが再起の道は険しいようです。