スタートアップを応援する新ファンドを設立

2021年3月から新しいファンドを立ち上げました。これは私募といって、幅広く大勢の人からお金を集めるものではなく、特定投資家(金融機関や事業法人など)から出資を募り、未上場新興企業を投資先にする、「創発の莟(つぼみ)1号投資事業有限責任組合」という投資事業組合の形を取っています。

実は、結い2101でも非上場企業に投資していたのですが、株式だと日々の時価を評価するのが難しいため、理論価格で時価評価が算出可能な債券での投資でした。もともと上場企業、非上場企業の別に関係なく、いい会社を応援したいという考えで運用を開始した結い2101でしたが、現行制度のもとでは非上場企業の株式に投資する上で制度上のハードルが高いので、投資組合の形で新しいファンドを立ち上げたのです。

現在の運用資金は13億円程度で、5つのスタートアップ企業への投資を実行しています。このように、「結い2101」と「創発の莟」という2つのファンドを持つことによって、鎌倉投信はスタートアップ企業のシード・アーリーから上場企業までをカバーした事業支援がおこなえるようになりました。

今後は、創発の莟という投資組合を新たな柱として育てていくことが、鎌倉投信にとって大きな課題です。結い2101の投資先との事業シナジーも自然発生的に期待できますし、鎌倉投信は上場企業にも投資していますから、上場後を見据えたスタートアップ支援も可能です。

また投資先の選定には、私たち鎌倉投信だけでなく、出資者である地域金融機関や上場企業の知恵と力を貸してもらおうと考えています。たとえば地域創生型の事業を行っているスタートアップ企業であれば、地域金融機関が持っているネットワークが生きてきますし、その他の上場企業が持っているサービスやノウハウも、スタートアップ企業が発展・成長していくうえで役に立ちます。収益に貢献していくにはまだ5年くらいはかかると思いますが、手ごたえを感じています。