老後資金は足りる?

老後のお金は、老後の収入、つまり「年金」と「老後の生活費」で足りない部分を見ていきます。お話によると、老後生活は全くイメージできないということでしたので、とりあえず少し前に話題になった「老後の資金として2000万円」を作っていくことを目標にしましょう。

このまま順調にいけば、退職金は1300万円くらい受け取れるということでした。助かりますね。ということは、残りの700万円を目標額としてみていきましょう。

例えば3万円を20年積み立てていくと、元本で720万円となりますので、横田さんが70歳になった時点で“元本のみ”で目標達成可能です(3万円×12カ月×20年)。しかし、これを定年までの60歳までとすると360万円の元本になります(3万円×12カ月×10年)。

もし仮に、もっと少ない費用でお金を作れる方法があったとしたら、知りたいですか? 知りたいですよね。

それは、税制優遇のあるiDeCoを使ってお金を殖やす方法です。横田さんの場合、所得税が20%の区分になります。住民税は10%なので、単純に計算しますと、iDeCoで毎月2万円※老後の資金を貯めていこうとすると、実は税制優遇効果で実質1万4000円分で2万円貯蓄できます。なぜならば、30%の部分の所得控除によって、その分手もとにお金が残ったとも考えられるからです。

※相談者の場合、最大2万3000円まで掛けられる。

よって、先ほどと同じ3万円を、iDeCoで2万円、つみたてNISAで1万円貯蓄すると考えたら、60歳までに元本で360万円になります。しかし、手元にiDeCoの非課税分6000円(2万円×30%)×12カ月×10年=72万円が残っていることになりますので、毎月6000円をつみたてNISAで再投資することで、元本が432万円になります。ありがたいですよね。

よって、目的は老後の資金作りなので、早期目的達成のために、まず、iDeCoを始め、資金に余裕があったら、つみたてNISAの方で資金を上乗せする優先順位で考えていきましょう。

日本円の預金だけではリスク分散が不十分

横田家の全体の財産を考えると、すべて、日本円の預金となっています。この場合、日本の資産に偏ってしまっています。リスクを分散させるために世界の資産をバランスよく持っているのが理想で、これから始めるiDeCoとつみたてNISAでバランスを保っていきましょう。

横田さんの50歳という年齢を考えると、外国株式のみではなく、外国債券にも分散させ、バランスよくポートフォリオを構成したいですね。

このようなお金を作る仕組みを作って、「お金に働いてもらう」をぜひ実践してみてください。