「父親と同じように年金だけで暮らせると思っていた…」という認識から見つめ直そう

まず、このままの生活を続けていって、果たして老後も生活していけるでしょうか。

小畑さんのお父様はおそらく80歳前後でしょう。その世代の方は、60歳から「特別支給の老齢厚生年金」を定額部分・報酬比例部分ともに受け取れました。そうした姿を見ていた小畑さんは、漠然と「年金生活になればお父様のような生活を送ることができるのでは」と思っていたのだと想像します。

しかし残念ながら、小畑さん自身にはお父様のような年金生活は当てはまらないとご理解いただいた方が良いでしょう。それは、「ねんきん定期便」の情報から明らかで、50歳以降のねんきん定期便には、このまま同条件で60歳まで年金保険料を納めていった場合に65歳から受け取れる年金額が記されています。それによると、小畑さんは、年金を月に8万6000円ほどしか受給できません。

しかも、60歳から「特別支給の老齢年金」を定額部分・報酬比例部分の両方をもらっていたお父様とは異なり、小畑さんは現行ルールで65歳からの年金受給です。もし、60歳に繰り上げて受け取る場合は、一月あたり0.4%※1減額されます。60歳に繰り上げると24%も減額されて月額約6万5000円にしかなりません。

※1 年金改正法が施行される2022年4月1日以降の減額率。

まず、その現実を認識したうえで、「今、ここから」どんな対策が取れるのか考えていきましょう。

 

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