ロボアドならできそう…! 表情も明るく

FIREが実現できそうな手応えを感じたのか、近藤さんの表情は明るく見えました。なんとなく退職後の生活を想像しはじめたようです。

「実は仕事を辞めてもやることがないんですよね」

休みの日は図書館で過ごすことが多いのだけれど、毎日図書館通いをしたらすぐに飽きてしまいそう……と近藤さん。

「FIREを実践して、今は農業をしている人がいるそうですよ」と私。

あまり人との接点のない仕事を無理のない範囲でする、ボランティアもいいな、などと想像が広がります。

FPとして多くのお客様と接して思うのは、人の価値観や生きがいは、本当にさまざまということ。ただ一方で願望を叶えるには(今回の場合は、仕事にがんじがらめにならずに暮らす、ということ)、お金の問題をクリアしなければなりません。この一点に関しては、どんな価値観や生きがいを持つ方にとってもほぼ共通という現実もあります。そのために今ある金融商品やサービスが役立つなら、積極的に生かしていただきたいと強く思ったのでした。少なくとも近藤さんは、自身に「FIREという選択肢もある」と分かったことで、すでに人生を変える第一歩を踏み出したとも言えるでしょう。

その後、再び近藤さんが訪れることはなく、いま近藤さんがどこで何をされているかは分かりません。ただ、人より繊細でいろいろ“気遣い”される近藤さんがFIREを通して、自分らしくのびのびと暮らしていることを願っています。