投資対象によってアクティブの有効性は異なる

金融庁のレポートでは資産クラス別にはまとめられていないため、eVestment社のデータを用いて、どの資産クラスで超過収益が獲得しやすいのかを確認してみました。結論としては、米国大型株式やグローバル大型株式は、リターンで平均的な実績のファンド(中位のファンド)がベンチマークに負けており、超過収益が獲得しづらい一方、中小型株式や新興国株式、日本株式は平均的な実績のファンドでもベンチマークに勝っており、比較的超過収益を獲得しやすいとの結果になっていました。

やはり米国やグローバルの大型株式は世界中のアナリストがリサーチをしており、他人を出し抜いて高いリターンを上げることは難しいようです。一方、新興国や日本、そして中小型株式は、それらを調べているアナリストの数が大型株式と比べて少ないため、的確な分析をすればリターンにつなげることができるのです。

金融庁とeVestment社のデータから分かることは、アクティブを活用するのであれば、しっかり銘柄を厳選し、かつ超過収益を獲得しやすい市場で勝負しているファンドを選ぶということ。実は、これは金融機関や年金基金などの機関投資家が実践しているやり方です。機関投資家は決してパッシブだけでは運用していないのです。