2021年12月、福岡銀行で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

第1位「ひふみワールド+」の概況

福岡銀行の12月販売ランキング1位は、「ひふみワールド+」だった。同ファンドは、日本を除く世界の企業の中から、高成長が見込め、将来の価値に比べて割安と判断した企業に投資するアクティブファンドである。2021年12月末時点における組入上位国は、以下の通り。

1.アメリカ 62.45%
2.ドイツ 4.54%
3.中国 2.96%
4.フランス 2.28%
5.オランダ 2.21%

そして、12月末時点における騰落率は以下のようになっている。

1カ月 0.76%
3カ月 6.56%
6カ月 4.73%
1年   28.16%

2021年12月は、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の出現により世界の株式市場は下落したが、月末にかけて持ち直す展開だった。ただ、2022年になって、米国金利上昇により世界の株式市場は上値の重い展開になっている。1月27日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、今後の利上げ開始時期やスピードなどが示唆されると見られている。インフレ懸念が高まる中、株式市場はボラティリティ(変動率)の高い展開になっており、2022年1月以降も同ファンドが福岡銀行のランキング上位に入るかどうかに注目している。

全体を見て:外国株式ファンドが人気

福岡銀行では、2021年12月も外国株式ファンドの人気が高かった。2位の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)」は、マイクロソフトやアルファベット、アマゾン・ドット・コムなど米国の成長株に投資するアクティブファンドで、2021年12月末時点における騰落率は以下の通り。

1カ月 3.4%
3カ月  14.7%
6カ月  16.1%
1年   42.9%

このように高いパフォーマンスをだしているので投資家の人気も高く、12月末時点における純資産残高は5,688億円となっている。ただ、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」にはA~Dの4つのコースがあり、もっとも人気があるのはDコース「(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」である。Dコースの12月末時点の純資産残高は1兆7368億円と、Bコースの3倍以上になっているのだ。しかし、福岡銀行の12月ランキングではBコースが2位に入り、Dコースはトップ10に入っていない。非常に珍しいケースであるが、2022年になってもDコースでなくBコースがランキング上位に入り続けるのかどうかに注目だ。