特に女性にお酒との上手な付き合い方を身につけてもらい、生活習慣病のリスクを高めるような飲酒を少なくすることを目的に設定された「いいビール飲みの日」。ビール酒造組合がアルコール関連問題の啓発週間(11月10日~16日)の中から、“いいビール”とも読める11月16日を選定し、日本記念日協会が認定した。
酒は百薬の長、されど万病の元
女性に焦点を置いたのは、女性の方が男性よりお酒に弱いからだ。アルコールの分解が男性より遅く、1時間に分解できるスピードは男性の4分の3で、約1.3倍の時間が必要だ。さらに、体脂肪の関係から体内のアルコール濃度が高くなりやすい。
このため、酔いやすい上に、飲みすぎることで健康を害することが多い。適量の飲酒を心がける必要性は男性以上だ。適当なアルコール量は、1日当たり20グラムとされ、ビールだとロング缶1本である。ワインならグラス1.5杯、チューハイならロング缶1本、日本酒は1合だ。
女性が酔いつぶれやすい姿を目の当たりにしたことがある。ある会合の後に実施された2次会の席でのことだ。スナックのボックス席で、男性の同僚が突然に「冷たい」と声を上げて立ち上がった。なんと酔いがまわって横になっていた隣り合わせの主婦事務員が失禁してしまったのだ。公私に積もり積もった過労も影響したようだ。
時期は異なるが、別の会合で、20歳代の女性が突然に立ち上がれなくなったこともある。ワインの美味しさに、つい抑制が効かなくなり飲みすぎたようだ。先輩女性が自宅まで送り届ける羽目になった。
そういう筆者も、30歳代前半ごろまでは酒席があるというだけで、午後は何となくウキウキするほどにお酒が好きだった。しかし、飲み過ぎて吐くことがあったり、二日酔いに悩まされたりしているうちに、30歳代半ば過ぎには晩酌すら興味がなくなり、今は時々たしなむ程度の酒量となり様変わりだ。
先輩の中に学生時代は陸上の選手で、シニア世代になっても体形の引き締まったダンディな方がいたが、お酒が好きだった。休日も少量とはいえ、朝からビールを飲むことがあると話していた。ところが、定年後あまり経たないうちに脳梗塞を患い、半身不随状態となった。現役時代のシャープな身のこなし方を知っていただけに、そうした姿を見るのは忍びなかった。
ただ、適度の酒量を守り抜き、長寿を全うした人もいる。