つみたてNISAの口座数が増えています。金融庁の調査※1によると、2021年3月、この1年でつみたてNISAの口座数は1.6倍、361万口座に達しました。特に、20代(同、1.9倍、66万口座)、30代(1.7倍、101万口座)、そして40代(1.5倍、90万口座)の伸びが顕著です。若者を中心につみたてNISAを活用した資産形成の輪が広がっている、そういうことだと思います。

※1 出所:金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査(2021年3月末時点)」、伸び率は筆者が試算

でも、口座を作っても利用していない人もいるようですね。先日、日本FP協会の会報、『FPジャーナル』の2021年8月号で、以下のコメントを見つけました。

金融庁が2021年6月15日に公表した「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査[2020年12月末時点(確報値)]」によると、2020年12月末までに開設された「つみたてNISA」口座は約302万口座あるものの、2020年に一度も買付がなかった口座は約98.28万口座と、全体の約32%にのぼる。

こんな話を資産形成セミナーで紹介すると、参加者の中には「なぁ~んだ、口座は増えているって言うけれど、全員が全員、投資を始めているわけではないんだ!」と言う人も。まだ資産形成に取り組んでいないご自身の後ろめたさが少し薄まってしまう人もいるようなのです。

ですから、セミナーではいつも「この数字は少し深掘りして見るべきかもしれませんよ」と申し添えています。講師の私が、どんなことを申し添えているのか? 今回は、つみたてNISA「買付0円問題」の真相を探ってみましょう。