4200万世帯といわれるマス層のお金の悩みにアプローチ
日本金融サービス仲介業協会の代表理事会長を務める中村仁氏が、金融サービス仲介業という存在に興味を持ったのは、400Fという自らの会社において、新しいサービスとラインアップを拡げていきたいという思いがあったからだという。
400Fはフィンテック企業の「お金のデザイン」の100%子会社として2017年に設立された。この会社の株式を、中村氏自身がMBOですべて買い取り、2020年7月からは独立事業として経営を行っている。「400Fでは『お金の悩みを出会いで解決したい』をミッションとして活動しています。当社では、お金の相談をすることが不安な方に向けて、さまざまなアドバイスを行っています」。
特にメインサービスの「お金の健康診断」では、自社にお問い合わせがあった顧客を、150社ほどの保険代理店やIFAにつなぎ、一緒に問題解決を図っている。いわば「顧客とIFA等事業者との出会いのプラットフォーム」だが、400Fならではの顧客本位の工夫も施されている。
「考えてみると、今まで金融セールスにおいて、お客さまの側から担当者を選ぶということはできませんでした。保険も証券も営業担当者がお客さまを訪問し、その方と話をすることが一般的です。言い換えると、お客さまから担当者を指名することができない仕組みになっています」と中村氏は話す。
このため、営業担当者の知識レベルや取扱商品によっては、顧客に対するアドバイスレベルが全く異なってしまうケースも少なくない。この理不尽さを解決して、「顧客に選択権を持たせて意思決定してもらう」ことが、「お金の健康診断」の狙いと言っていいだろう。