NTTドコモは1月29日から、一部のドコモショップで、NISA口座開設のサポートなど資産形成を後押しするサービスを開始する。マネックス証券と連携し、ショップの店員が投資の入口への案内役となって、投信積立の設定などをサポートする。28日の発表記者会見では両社の役員が登壇し、対面で相談できる安心感とネットの利便性を結びつける試みの意義と狙いについて説明した。
"外務員資格取得スタッフ"が対応
両社によると、対象となるドコモショップの店頭では(1)証券総合取引口座の開設、(2)NISA口座の開設、(3)「dカード積立」の各種設定、(4)dアカウント連携の設定、(5)マネックスの口座で投信の取引ができる「かんたん資産運用」の操作・設定について、サポートを受けることができる。ドコモショップのスタッフのうち、証券外務員資格を取得した担当者が対応に当たる(口座開設のサポートを受ける際にはスマートフォンとマイナンバーカードが必要)。
当初は、ドコモショップを運営する代理店の1つであるコネクシオ株式会社が運営する35店舗でサービスを開始。対象を早期に100店舗規模に拡大し、将来的には全国1000店舗規模を目指すとしている。
ネット証券vs伝統的金融機関の顧客争奪戦にも影響?
通信キャリアの代理店が金融サービス仲介業のライセンスを取得し、店頭で資産形成の後押しを手掛けるのは異例だ。サポート範囲は基本的に「入口」となる操作・設定が中心だが、利用者が具体的な商品選びやサービスのアドバイスを希望する場合には、マネックス証券のコンタクトセンターを案内する。将来的には、顧客のニーズに応じて店舗での支援範囲を拡大することも検討しているという。
記者会見に出席したNTTドコモの執行役員/コンシューマーサービスカンパニー ウォレットサービス部長・田原務氏は「NISAの認知率は8割と高いが、実際に利用している方はその半数以下にとどまる。このギャップを埋めるため、日常の接点から資産形成を迷わず始められる体験作りに取り組みたい」と述べた。
金融業界では、対面サポートを強みとする伝統的な証券会社や銀行と、低コストなネット証券の間で顧客の争奪が激化している。仲介業の制度枠組みを利用し、対面と非対面の境界に立つこの試みは、他社による追随の可能性を含め、業界内の勢力図にも影響を広げる可能性がある。
マネックス証券の取締役社長執行役員・清明祐子氏は、「ネットの利便性とリアル店舗の安心感という、これまで両立が難しかった二つの価値を一つにすることは、日本の投資家層の拡大への画期的な一歩になる」と自信を見せた。
