私がライフプランセミナーの講師を務める際に意識しているのは、私自身も参加者の皆さんと同じ現役世代だということです。同じ現役世代として、私がこれまでに自分自身でやってみて、「これはやって良かったなぁ~」と思うことは、セミナー内でも私自身の“実体験エピソードトーク”として参加者の皆さんになるべくお伝えしよう、そんな風に心がけています。

今回はそんな私の実体験から、最近、社会人になった娘に就職祝いとしてプレゼントした「お宝保険」のことをご紹介しましょう。「お宝保険」とは言っていますが、そんなに難しい話ではありません。子どもがいるお父さんだけでなく、お孫さんがいらっしゃる方々にも、ぜひ聞いてほしい話ですので、少しお付き合いいただければ幸いです。

一生涯で一番保険料が安くなるのは?

今年4月、娘が社会人になりました。社会人になっても自宅から通勤していますし、それこそコロナ禍でテレワークも多いので、巣立ったというイメージはあまりありません。それでも子育ては一区切り、そんな風に感じています。

前々から決めていたのが、私から娘への就職祝い。20年以上、私が契約者として保険料を負担してきた生命保険(終身保険)を、社会人になった娘に譲りました。どんな内容の保険なのか、ご紹介しましょう。

■生命保険(終身保険)の内容

・契 約 者:父(私)→長女(娘)へ変更
・被保険者※1:長女(娘)、契約年齢0歳
・受 取 人:父(私)
・保険種類:変額保険(終身保険)
・保険金額:500万円
・保険期間:終身
・払込期間:60歳
・払込方法:月払い
・保 険 料:2,825円

※1:その人の生死や病気などが保険の対象になっている人のこと。

簡単に言えば、娘が生まれたばかりの0歳のときに契約した終身保険です。娘が亡くなったときに備えて、という話しではありません。契約当初から、娘が社会人になったら契約者、つまり、保険料の負担者を私から娘に変更しようと思っていたのです。

原則、生命保険は契約年齢が若いほど、保険料は安くなります。ですから、一生涯で保険料が一番安くなるのは0歳のとき。この0歳で契約した保険について、私から娘に契約者を変更すると※2、社会人になった娘であっても、これからも0歳の保険料のまま契約を続けることができるのです。

※2  契約者変更時には贈与税は課されません。保険金や解約返戻金受取時に課税関係が発生します。

「お宝保険」のカラクリとは?

生命保険の保険料は、保険金を支払う財源となる「純保険料」と保険会社の経費である「付加保険料」の合計になります。理屈上、「純保険料」は、娘が生まれた頃と今とを比べて平均寿命と金利環境が変わらなければ、「0歳のとき契約して60歳までに払い込む純保険料」と「社会人になってから契約して60歳まで払い込む純保険料」は変わらないことになります。

でも、娘が0歳のときに契約した終身保険について、娘が社会人になったタイミングで私から娘に契約者を変更すると、娘自身が「社会人になってから60歳までに払い込む純保険料」は、私が「(娘が)0歳のときから社会人になるまで払い込んだ純保険料」の分だけ確実に、「(娘が)社会人になってから契約して60歳まで払い込む純保険料」よりも少なくて済みます。これが私から娘への「お宝保険」のカラクリです。