一人あたり12万円分…あまりに少ない日本人の金保有

さて、ここで突然ですが一つクイズです。

日本の個人金融資産総額(1946兆円)を100とした場合、日本人全体で保有する金は、金融資産総額に対して何%になると思いますか?

【クイズ1】日本の個人金融資産(1946兆円)を100とした場合、金の割合は?

① 1%未満
② 5%
③ 10%
④ 20%
⑤ 30%
(答えは後ほど)

ここ数年、対面のセミナーやウェブセミナーでは、終了後必ずといっていいほど金についての質問をいただきます。

「どこで買ったらいいんですか?」

「現物と金ETFではどちらがいいんでしょうか?」

「金の延べ棒はどうやって保管すればよいのでしょうか?」

「純金積立を今から始めても大丈夫でしょうか?」

「金融資産に対してどのくらいの割合で金を保有すればよいのでしょうか?」

「売却時の税制を詳しく教えてください」

などなど、多岐に渡ります。つまり、日本人は金に関して大変興味があるのですが、まだあまり保有されていないというのが現状のようなのです。

そこで、日本人の金保有金額についていろいろと調べてみました。

金のネックレスや指輪などのジュエリー、延べ棒やメイプルリーフ金貨などのコイン、純金積立やETF・投資信託、はたまた江戸時代の小判や1986年発行の昭和天皇御在位60年記念10万円金貨など……。

多岐に渡るデータを正確に把握することは難しいのですが、各方面のデータを合計しますと、日本人全体での金保有金額は15兆円ほどになるようです(1g=6366円換算)。

見える化をしてみますと、

金融資産 1946兆円:金の保有金額 15兆円

100 : 0.8

ということになります(クイズの正解は1番です)。

これは、日本の総人口約1億2600万人が、あらゆる手段を使っても一人あたり約12万円(15兆円÷1億2600万人)しか金を保有していないということを意味します。

一人あたりの金融資産が単純平均で1500万円(1946兆円÷1億2600万人)を超えてきている現状に比べて、あまりにも少ない金額&保有割合ではないでしょうか。

欧州では国が陸続きであり、歴史上戦乱が絶えず、不動産にしがみついていては大切な資産は他国に奪われてしまいます。いつでも持ち運びができ保管も簡単な金のニーズが歴史的に高かったのも頷けます。

ちなみに、欧州では金融資産に対して10~15%の金を保有するように言い伝えられてきました。

一方で我が国は島国でもあり、歴史的にも他国から侵略された経験が少なく、不動産を資産の第一と考えてきたため、今も金の保有割合が低い状態となっています。