finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート
藤原延介のアセマネインサイト

【連載】藤原延介のアセマネインサイト⑰
~米国投資信託最新事情
2024年の米投信市場を振り返る 米ETFに1兆ドル超の資金流入、残高10兆ドル突破!

藤原 延介
藤原 延介
BNPパリバ・アセットマネジメント マーケティング部
2025.03.03
会員限定
【連載】藤原延介のアセマネインサイト⑰<br />~米国投資信託最新事情<br />2024年の米投信市場を振り返る 米ETFに1兆ドル超の資金流入、残高10兆ドル突破!

2024年の米国投信資金動向が出そろった。2023年に引き続き、良好な投資環境が継続した米投信市場。今回は、2024年の年間の資金動向について、藤原氏に解説してもらった。

1月31日に米投資信託協会(ICI)が2024年12月の投信市場データを公表しました。これにより、速報値ベースではありますが、2024年の投信資金動向がそろったことになります。2024年の米国株式は、NYダウ平均株価が12.9%の上昇、S&P500指数が23.3%、ナスダック総合指数は28.6%と大幅な上昇となっており、2023年に続いて米投信市場にとって良好な投資環境が継続しました。そこで今回は、2024年の年間の米ミューチュアルファンドや上場投資信託(ETF)の資金動向を確認していきたいと思います。

ミューチュアルファンドは
株高とMMF人気で過去最高残高

まず、2024年末時点のミューチュアルファンドの残高は28.5兆ドルと、2023年末から+3.0兆ドル(+11.8%)と2年連続で増加し、2021年末の26.9兆ドルを上回って過去最高を更新しています。図1に示した5つの分類で最も増加額が大きかったのが米国株式型で前年比+1.6兆ドル(+15.4%)の11.9兆ドルとなっています。引き続き、全体の残高の4割強を国内株式ファンド(米国株式型)が占める構図となっています。

また、増加率で見るとMMF(マネー・マーケット・ファンド)が最も伸びており、前年比+0.9兆ドル(+15.8%)の6.9兆ドルと8年連続で過去最高を更新中となっています。冒頭で指摘したように、米国株式相場が極めて好調だったことを勘案すると、米国株式型の残高増加は主に値上がりを背景とする一方、MMFには高水準の資金が向かいました。昨年9月には米金融当局が4年半ぶりの利下げを決定し、年末までに3回の利下げ(0.50%、0.25%、0.25%の計1.00%)を行いましたが、それでも米政策金利は4.25-4.50%と比較的高い水準を維持しており、安全資産がMMFに向かう流れは変わらなかったと言えそうです。

 

政策金利低下で債券型に流入
長期投資信託の解約続く

続いて、ミューチュアルファンドの年間の資金流出入を見てみましょう。分類別で最大の資金流入を記録しているのは、やはりMMFとなっています。2024年の資金流入額は+0.7兆ドルと、図2に掲載した5つの分類で圧倒的にトップとなりましたが、2023年の+1.0兆ドルからは若干減速しています。また、資金流入を記録したもう1つの分類は債券型で、こちらは+0.2兆ドルと3年ぶりの資金流入に転じています。これらの2つの分類の資金フローから読み取れるのは、短期金利がより高水準だった2023年にMMFが高いリターンをもたらしてきましたが、2024年に政策金利が低下しはじめた中で、債券ファンドに資金が向かい始めたということでしょう。

一方で、米国株式型と国際株式型、バランス型は数年にわたってマイナスが継続しており、長期投資信託(MMFを除くミューチュアルファンド)の資金流出トレンドは変わっていません。先にミューチュアルファンドの残高が過去最高を更新したと指摘しましたが、MMFを除いた長期投資信託の残高は21.7兆ドルと、2021年末に記録した22.1兆ドルにはわずかながら届いていません。過去の当連載でも解説したように、ミューチュアルファンドはETFや集団投資信託(CIT:Collective InvestmentTrust)と呼ばれる新しい金融商品に取って代わられており、とりわけETFの資金動向と明暗が分かれています。

 

米ETFは1兆ドル超の資金流入
残高10兆ドル到達

2024年末時点の米ETFの残高を見ると、10.3兆ドルと年末ベースでは初めて10兆ドルの大台に到達しました。図3で長期投資信託の残高と比較しても、ETFはほぼ一本調子に拡大し、長期投資信託との残高の差が縮小していることが確認できます。また、ETFと長期投資信託の資金流出入(ETFの場合は、Net Issuanceのデータを使用)を見ても、長期投資信託が2024年に0.6兆ドルの資金流出となる一方で、ETFは1.1兆ドルの資金流入と対照的な動きとなっています。なお、米ETFが年間で1兆ドルを超える資金流入となるのは初めてのことであり、株式相場が不安定ながらも上昇トレンドを維持する中で、より利便性の高いETFが活用されているものと考えられます。日本と同様に、ETFの活用は機関投資家が中心となったものではありますが、世界をリードする米投信市場でこうした現象が起こっていることはあらためて認識しておく必要がありそうです。

 

1月31日に米投資信託協会(ICI)が2024年12月の投信市場データを公表しました。これにより、速報値ベースではありますが、2024年の投信資金動向がそろったことになります。2024年の米国株式は、NYダウ平均株価が12.9%の上昇、S&P500指数が23.3%、ナスダック総合指数は28.6%と大幅な上昇となっており、2023年に続いて米投信市場にとって良好な投資環境が継続しました。そこで今回は、2024年の年間の米ミューチュアルファンドや上場投資信託(ETF)の資金動向を確認していきたいと思います。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #米国投信
  • #ミューチュアルファンド
  • #ETF
前の記事
【連載】藤原延介のアセマネインサイト
⑯外国株式ファンド中心に過去最高の資金流入を記録した2024年投信市場
2025.02.03
次の記事
【連載】藤原延介のアセマネインサイト
⑱日経平均下落で日本株ファンドに資金流入も、アクティブ型の人気に陰り
2025.04.01

この連載の記事一覧

藤原延介のアセマネインサイト

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉝
パフォーマンスと高成長を背景に新興国株式ファンドに資金流入の兆し

2026.07.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉜
~米国投資信託最新事情~
株式低迷の1-3月も米ETFは過去最高を更新! 主役は債券ETFと外国株式ETFへ

2026.06.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉛
1-3月に過去最高の資金流入! 背景にある日本株と金(ゴールド)への強気スタンス

2026.05.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉚
米国株からグローバル株へ資金シフトと欧州株ファンドへの期待

2026.04.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉙
~米国投資信託最新事情
2025年の米投信市場、ミューチュアルファンド・ETFともに債券型の存在感高まる

2026.03.02

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉘
2025年投信資金フローは、外国株式型が減速する一方でアロケーション運用のニーズ拡大

2026.02.02

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉗
金価格上昇の1年で、金関連ファンドの残高が急拡大

2026.01.05

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉖
~米国投資信託最新事情
ミューチュアルファンド初の30兆ドル突破も、米国株ファンドから過去最大の資金流出

2025.12.01

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉕
NISA利用状況に変化あり⁉ 4-6月期のつみたて買付額が減少

2025.11.04

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉔
過去最大となった個人マネーで広がる物価高対策

2025.10.01

おすすめの記事

ファンドアナリスト海老澤 界が2026年第1四半期を振り返る~投資信託の今と、これから

Finasee編集部

ファンドアナリスト篠田 尚子が2026年第1四半期を振り返る~投資信託の今と、これから

Finasee編集部

日本初のハンセンテック指数連動ETFが東証上場―注目浴びる“中国テック株”が投資の選択肢に

Finasee編集部

トランプの米国に疲れた皆さん、欧州はいかが?日本で唯一の「英国株インデックスETF」が上場!

finasee Pro 編集部

【新NISA対象】ブラックロックから「iシェアーズ S&P500 トップ20 ETF」「iシェアーズ ゴールド ETF」が上場! 個人投資家にとっての魅力は…

Finasee編集部

著者情報

藤原 延介
ふじわら のぶゆき
BNPパリバ・アセットマネジメント マーケティング部
2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社し、サステナブル投資や欧州規制動向など資産運用に関連する情報発信を担う。1998年三菱信託銀⾏⼊社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパン。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど約25年に渡りリサーチ、投資啓蒙に従事。慶応⼤学経済学部卒。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
【プロが解説】人口減のなか注目される私鉄各社の貢献――駅を起点に人を呼び込み、沿線価値を高めるまちづくり
速さを支える足場の築き方とは――moomoo証券の行政処分から考える「顧客本位」の土台
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉝
パフォーマンスと高成長を背景に新興国株式ファンドに資金流入の兆し
政府が「地域金融力強化プラン」をブレークダウンした都道府県別“新プラン”を策定へ
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
ゆうちょ銀・郵便局の売れ筋で「日経225」と「NASDAQ100」が人気、貯金金利の引き上げで投信の売れ筋に変化?
「支店長! 接客について、先輩方のように自信が持てません。どうしたら自信が持てるようになりますか」
常陽銀行の売れ筋で「日経225ノーロード」がトップに再浮上、「リスクオン」でバランスファンドより株式ファンドに軸足
「支店長! 売れ筋の投資信託を3つ覚えて売れるようになりました。全ての商品を覚える必要はありますか?」
SBI証券で「半導体」に強気、日米の半導体インデックスファンドが売れ筋ランクアップ
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
政府が「地域金融力強化プラン」をブレークダウンした都道府県別“新プラン”を策定へ
仕組商品のリスクは「複雑かつ複合的」なのか?
ゆうちょ銀・郵便局の売れ筋で「日経225」と「NASDAQ100」が人気、貯金金利の引き上げで投信の売れ筋に変化?
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉝
パフォーマンスと高成長を背景に新興国株式ファンドに資金流入の兆し
【プロが解説】人口減のなか注目される私鉄各社の貢献――駅を起点に人を呼び込み、沿線価値を高めるまちづくり
福岡銀行で「半導体」人気が爆発、「日本株」や「純金」の人気は後退
速さを支える足場の築き方とは――moomoo証券の行政処分から考える「顧客本位」の土台
「支店長! 接客について、先輩方のように自信が持てません。どうしたら自信が持てるようになりますか」
SBI証券で「半導体」に強気、日米の半導体インデックスファンドが売れ筋ランクアップ
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
「オルカン」「S&P500」「世界のベスト」に続くファンドは? 「スペースX」への関心で購入停止ファンドも=資金流入額上位20ファンド
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
信託ならではの専門性をオンラインで実現 独自のハイブリッド型チャネル戦略を推進 case of 三井住友信託銀行
「支店長! 接客について、先輩方のように自信が持てません。どうしたら自信が持てるようになりますか」
投信ビジネスに携わる金融のプロに聞く!「自分が買いたい」ファンド【バランスファンド編】
顧客の「将来」と「今」に価値を提供し、地域に好循環を生み出すのがFFGの使命 case of 福岡銀行/ふくおかフィナンシャルグループ
政府が「地域金融力強化プラン」をブレークダウンした都道府県別“新プラン”を策定へ
福岡銀行で「半導体」人気が爆発、「日本株」や「純金」の人気は後退
仕組商品のリスクは「複雑かつ複合的」なのか?
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら