外部委託運用にはどんな種類があるのか

ここからは、外部委託運用の具体的な例について見ていこう。

1.ファンド・オブ・ファンズ

他の運用会社の商品を含む、個別の投資信託を組み合わせる運用手法のこと。現存する投資信託に直接投資を行うことで、比較的容易かつ効果的に外部の運用力を取り入れることができる。

ただし、投資先ファンドにそれぞれ信託報酬がかかるという点には留意する必要がある。一般的に投資先ファンドの信託報酬は低く抑えられていることが多いが、コストについて確認する際は必ず、投資対象ファンドの信託報酬を含めた「実質的な信託報酬率」を参照するようにしたい。

具体的なファンドの例としては、セゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」「セゾン資産形成の達人ファンド」や、三菱UFJ国際投信の「ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド」などがある。

2.マルチ・マネジャー

ファンド・オブ・ファンズのように個別の投資信託ではなく、資産タイプや運用スタイルに応じて優良な運用会社を選定し、それらの最適な組み合わせを構築する運用手法のこと。年金など機関投資家の世界で主に活用されている方法で、既存商品を組み合わせるファンド・オブ・ファンズよりも運用面の柔軟性が高いことに利点がある。ただし、マルチ・マネジャー運用の分野で十分なノウハウと実績のある運用会社の数は決して多くない。

マルチ・マネジャー運用のパイオニアとして広く知られているのは、米国に本拠地を構えるラッセル・インベストメントである。1980年に米国においてマルチ・マネジャー商品の提供を開始した同社は、世界で400本を超えるマルチ・マネジャー・ファンドを設定・管理している。